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互換性の把握が役立つ!鋼管のサイズや選び方を解説

2022.03.31

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鋼管のサイズは大きく3種類

建築構造物の柱材を選ぶ上で、まず知っておきたいのが角形鋼管の種類です。大きく小径・中径・大径に分類でき、建築用としては大径角形鋼管が主に使われます。

小径角形鋼管

「スモール角」や「スモール角パイプ」と呼ばれ、家具、意匠材、機械用部品などとして使われています。各メーカーがJIS規格である丸管のSTKM(JIS G 3455)を角形に成形し、独自規格で販売。製品名はSTKMRと表記されます。

中径角形鋼管

「中径角」「中径角パイプ」と呼ばれ、「一般構造用角形鋼管」と表記されています。小規模な建築構造物や機械の構造用、立体駐車場、仮設資材などが用途にあげられ、主にJIS規格のSTKR(JIS G 3466)が使われています。

大径角形鋼管

一般的には「大径角形鋼管」や「コラム」と呼ばれ、「建築構造用角形鋼管」と表記されています。日本鉄鋼連盟が製品規定するBCRやBCPなどがあり、中規模・大規模の建築構造物の柱材として使われています。

ナカジマ鋼管では国内で唯一、大径の熱間成形角形鋼管「スーパーホットコラム(SHC)」を製造。STKR・BCR・BCP・SHCと幅広いラインナップを用意しています。

建築用で使う鋼管のサイズとは

小規模・中規模の建築構造物

1階建ての小規模建築構造物(延床面積が200㎡の店舗、工場、ガソリンスタンドなど)で、鉄骨の総重量が400~500トンの場合、BCRの□400mmまでを使用することが多い印象です。

また、2階建て以上の中規模建築構造物(延床面積が200㎡の店舗や工場)で、鉄骨の総重量が約1000トンの場合、BCRの□550mmあるいはBCPの□600mmまでを使用することが多いです。これらが建築構造物のボリュームゾーンとなります。

大規模の建築構造物

高層建築物などその規模によるためケースバイケースとなりますが、ナカジマ鋼管で対応できる最大サイズは□1000mm。BCPでは板厚50mm、SHC(スーパーホットコラム)では板厚70mmまで対応しています。特に、大規模の建築構造物の場合はサイズだけでなく、規格ごとで異なる「基準強度」も重要なポイントになります。

サイズ・強度から鋼管を選ぶ

小規模の建築構造物はスパンから考える

柱のサイズを考えるとき、柱間のスパンから計算すると大まかなサイズを割り出すことができます。たとえば、柱のサイズがスパンの14分の1と仮定すると、スパン9000mm/14=□650mm(辺長は50 mm単位なので切り上げ)。ここからさらに建築構造物の高さや荷重などを加味して、サイズを調整していくとスムーズです。

中規模・大規模の建築構造物は基準強度から考える

階数などが高く、荷重が多い建築構造物は、基準強度から考えてみるとスムーズ。BCR295やBCP325といった製品名(規格名)に記載されている数値は、基準強度を示す耐力=降伏点の下限値です。

※下記の製品名に記載の数値は、引張強さの下限値を示しています。耐力=降伏点の下限値はそれぞれ( )内の数値となります。
SHC400B/C(235)・SHC490B/C(325)・SHCK490B/C(325)

鋼管選びで知っておきたい互換性

高品質なSHCを使用するメリット

ナカジマ鋼管では、冷間成形角形鋼管「BCR」「BCP」より高品質な熱間成形角形鋼管「スーパーホットコラム(SHC)」を製造しています。たとえば、BCP325とSHC490は耐力=降伏点が同値のため、置き換えが比較的容易です。10m超のスパンを持つ中高層のビルでは、SHC490を用いると柱断面が小さくなり、柱重量・溶接量を低減し、設計面でもコスト面でも優位になります。

特性を把握しておきたいSHCとは?

SHCは、冷間成形角形鋼管の設計・施工マニュアルに従うことなく設計でき、BCR・BCPと比べて高品質な建物を経済的に設計することが可能になります。ナカジマ鋼管では、コスト面や設計面において、より優位な設計が実現できるよう、柱材の互換性をふまえたコーディネートをご提案することができます。

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