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柱材で使われる「4面ボックス」と「コラム」の違いを解説

2022.03.31

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4面ボックスとは

鉄骨造(S造)建築構造物の柱材の種類

鉄骨造(S造)建築構造物の柱材は、「コラム」と呼ばれる大径角形鋼管が主に使用されています。ただし、サイズに上限があり、製造できるのは□1000mmまで。これ以上のサイズが必要な超高層建築物の柱材として、溶接四面BOXやボックス柱とも呼ばれる「4面ボックス」が使われています。

国や地域で主流は異なる

日本では建築構造物の柱材は、コラムが主流ですが、たとえば台湾では4面ボックスが主流です。日本と同じく地震が多く強度が求められますが、コラムメーカーが少なく、厚板を製造する鉄鋼メーカーはあるため、4面ボックスを使うことが多いと考えられます。

4面ボックスの製造方法

4枚の厚板を組み合わせて溶接し、コラムと同様に断面が正方形の柱を造ります。日本では、「ファブリケーター」「ファブ」と呼ばれる鉄骨の部材を製造・加工する企業で製造されています。

4面ボックスとコラムの違い

4面ボックスのメリット・デメリット

4枚の厚板を組み合わせてオーダーメイドのような形で製造する4面ボックスは、コラムと比較して板厚やサイズの自由度が高いのがメリットです。コラムでは選定しづらいサイズが必要な場合に4面ボックスを選択されるケースが多いようです。

一方、コラムよりも製造時に溶接箇所が多く、品質管理が難しい部分もあり、コストの高さがデメリットになると考えられます。日本の建築業界では、コラムではカバーできない部分を4面ボックスで補っているという印象です。

4面ボックスとコラムの互換性

4面ボックスに置き換え可能なコラム

実は、コラムではカバーできないと考えられていたサイズや板厚でも、要件や製品によってはコラムで対応することも可能です。仮に、4面ボックスからコラムに置き換えることができれば、コスト面でのメリットが生じます。たとえば、以下のコラムが大型サイズに対応しています。

<熱間成形角形鋼管(スーパーホットコラム)>
SHCK490B/C:□700mm・板厚70mm
板厚が40mmを超えても基準強度は低下しません。

SHC355B/C-EN:□800mm・板厚40mm
高い基準強度を有しています。

<冷間成形角形鋼管>
NBCP385B/C:□1000mm・板厚50mm
引張強度が高強度550N/mm²級の高性能冷間プレス成形角形鋼管。

NBCP440B/C:□1000mm・板厚50mm
引張強度が高強度590N/mm²級の高性能冷間プレス成形角形鋼管。

さまざまなメリットを持つスーパーホットコラム

ナカジマ鋼管では国内で唯一、大径の熱間成形角形鋼管「スーパーホットコラム(SHC)」を製造。SHCは、冷間成形角形鋼管の設計・施工マニュアルに従うことなく設計でき、BCR・BCPと比べて高品質な建物を経済的に設計することが可能になります。

ナカジマ鋼管では、コスト面や設計面において、より優位な設計が実現できるよう、柱材の互換性をふまえたコーディネートをご提案しています。

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